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先日テレビで
トランプの手品のたねあかしを見たので
彼と妹の前で披露しました。

すると
「あれ。このトランプいつからあるの?」
と彼がビックリしています。

「前からあるけど」と言う妹に
「知らないなあ」と
手品そっちのけでトランプを
食い入るように見つめる彼。

彼が昔好きだった
ロボットアニメのキャラクターの
トランプです。

最近はテレビ自体を
見なくなっていますが
発症当時には
一日中そのアニメの
ビデオを大音声で見続けるので
あまりにも良くないと思い
(戦いの場面ばかりなので
いたずらに緊張感が増すだけだと感じました)
禁止していた時期がありました。

かなり落ち着いて
禁止が解かれてからも
彼は見なくなってしまっていたのですが
トランプの絵柄に
懐かしさがこみ上げたようで
しばらくそれぞれのキャラについて
かなり饒舌に語っていました。

それがとても
カツゼツがよくて
まるで昔の彼そのものでした。

いつもは
ゆっくりと
もごもごと
カツゼツ悪く
何度も聞き返されながら
しゃべるのですが
別人のように語る彼。

ほとんど二十歳の彼になっていました。

「もしかしたら
何かがキッカケで
急にずっと出来なかったことが
出来るようになったりすることが
あるかもしれないね」と
ちょうど昨日誰かと
話したばかりでした。

ずっと好きだったものが
キッカケになる。
有り得る事です。

でも
しばらくして
スウィッチが切れると
プツンといつもの五歳くらいの彼に
戻りました。
後姿もとぼとぼとした
いつもの彼。

「無理しなくていいよ。
ずっとしっかりしていようとすると
まだ疲れるから
戻れる時間だけ戻っていれば」
と言うと
安心したように
うなずきました。